
赤ちゃんは1日のほとんどを寝て過ごします。
たくさん寝ることで脳の発達を促しているとも言われているんです。
まさに「寝る子は育つ!」と言えます。
赤ちゃんがぐっすりと寝ることは、実はとても重要な事でもあるのです。
そんな赤ちゃんの睡眠中にピーピーとかく「いびき」を耳にしたときはありませんか?
初めて聞いたときはびっくりさせた方もいらっしゃるかと思いますが、当然に赤ちゃんもいびきをかきます。
ただし、赤ちゃんのいびきには大人とは違う注意しなければならないことも多々あります。
ママ・パパは赤ちゃんの快適な睡眠を見守ってあげるためにも「いびき」について理解を深めておく必要があると言えるでしょう。
今回は赤ちゃんがいびきをかく原因、いびきの注意点、いびきを抑える対処法についてお話させていただきます。
目次
1.「いびき」とは
いびきとは、眠っている最中に鼻や喉の通る空気が振動を起こしたりすることで出る呼吸音のことを言います。
空気の通り道である「気道」が狭くなってしまうことで起こることが多いようです。
自分自身では気付きにくきもので、一緒に住んでいる方などの周囲の方とのトラブルとなり得ることもあります。
いびきの頻度や音の大きさなど、症状は人それぞれであり、いびきが原因で睡眠が浅くなってしまう場合もあります。
呼吸がスムーズに出来ている状況とは言い難いため、睡眠や普段の生活に悪影響を及ぼしているようであげれば治療が必要となってきます。
他にも、
・上気道抵抗症候群
・睡眠時無呼吸症候群
などを引き起こしている可能性もあります。
いびきをかいていると熟睡できているようなのようなイメージもあるかもしれませんが、中には注意が必要な危険信号である場合もあるということを把握しておきましょう。
2.赤ちゃんがいびきをかく原因
赤ちゃんがいびきをかく原因としては、大きく3つのことが挙げられます。
2-1.鼻づまり
赤ちゃんの喉は大人たちよりも少し高めに、舌も上の方に位置しています。
まだまだ未発達な呼吸がしにくい喉の造りとなっているのです。
赤ちゃんにとって口呼吸は少々苦手な呼吸方法と言えるでしょう。
そうなると、自然と鼻で呼吸する機会が多くなるわけですが、赤ちゃんも風邪をひいて鼻水が出てしまったり、アレルギー性の鼻炎になってしまうことも多々ありますよね。
鼻が詰まってしまう状況ができてしまうわけです。
鼻が詰まると鼻腔が狭くなってしまうので、空気が通る時に「ピー」と音が出る時があります。
「いびきのように聞こえる」と言った方が正しいでしょう。
2-2.扁桃腺の肥大
「扁桃腺(へんとうせん)」とは、喉奥の両側に位置するふくらみの部分を言います。
「口蓋扁桃(こうがいへんとう)」とも呼ばれます。
こちらの扁桃腺は、外部からの病原体から守ってくれるための免疫を作ってくれる機能を持っています。
外部からの刺激を受けやすい構造となっているため、活発的に免疫を作ってくれていると、扁桃腺が肥大する現象が起こると考えられています。
赤ちゃんのときは、この扁桃腺の肥大が起こりやすいと言えるでしょう。
先ほども述べたように、扁桃腺は喉の奥の方にある組織なので、そこが肥大してしまうと、空気の通り道である気道が狭くなってしまいます。
赤ちゃんがいびきをかきやすくなる原因とも言えるのです。
2-3.仰向けで寝たときの舌の沈下
新生児はうつぶせ状態で眠ってしまうと呼吸がし辛くなることから、仰向けになって眠ることがほとんどです。
仰向けになると重力によって舌は下の方へ、つまり喉の方に落ち込んでくることとなります。
舌が気道を狭めてしまう可能性があるため、呼吸をする際にいびきが発生しやすくなると言えます。
また、赤ちゃんの頃は舌も喉の周辺の筋肉もまだまだ未発達な状態であるため、睡眠時は筋肉が緩みやすい状態となります。
大人に比べ、いびきが出やすい状態になりやすいと考えておいた方が良いでしょう。
空気の通り道がが狭まってしまうことで起こることが主な原因のようです。
空気の通り道が狭くなるということは、場合によってはスムーズな呼吸が出来ていないと考えることもできます。
大概のいびきは特に問題ありませんが、いつもの様子と違かったり、赤ちゃんが苦しそうにしているようであれば注意が必要です。
3.いびきに伴う注意点
いびきには注意が必要となる危険信号が含まれている場合があります。
以下のような症状に注意してください。
3-1.呼吸困難
先ほど述べたように、赤ちゃんは口で呼吸するのが苦手なため、鼻で呼吸できないと苦しい時もあります。
鼻疾患を放置してしまうと、呼吸困難に陥る原因にもなりかねません。
赤ちゃんがいびきをしていた場合は苦しそうにしていないかやちゃんと息を吸ったり吐いたりが出来ているかの確認は怠らないようにしましょう。
胸に手を当ててみたり、口元に耳を近づけて呼吸の様子を確かめてみてください。
3-2.炎症や高熱
上記で挙げた「扁桃腺肥大」が発症すると、炎症や高熱が出てしまう可能性があります。
まだまだ小さい赤ちゃんにとって、ちょっとした炎症や高熱でも大きな負担となりかねません。
他の健康トラブルを併発してしまう恐れもあるので注意が必要です。
扁桃腺肥大は成長していく過程で自然と解消されていくケースがほとんどですが、早めにお医者さんに相談する事をオススメします。
3-3.上気道抵抗症候群
上気道抵抗症候群とは、大きないびきを伴いなかなか深い眠りにつけない状態のことを言います。
不眠の傾向となってしまい、日中時間帯にも眠気が襲ってくるなどで生活のリズムに支障をきたしてしまいます。
睡眠が快適に出来ていないとその他の健康状態にも悪影響を及ぼしかねません。
赤ちゃんはたくさん寝て成長していくので、寝れないということはそれだけでも大問題となってしまうかもしれないので注意してください。
3-4.睡眠時無呼吸症候群
睡眠時無呼吸症候群とは、眠っている最中に呼吸が止まってしまう時間帯がある症状のことを言います。
こちらも眠りが浅くなってしまうケースが多いようで、睡眠不足などの悪影響も及ぼしてしまいます。
寝ている間の出来事であるため、赤ちゃんはもちろんのこと一緒に寝ているママ・パパも気付きにくいことかもしれません。
睡眠時に起こる症状ですが、これは日中などの活動している時間帯においても不具合が起こるような症状です。
日常生活に様々なリスクを生み出してしまうこととなりかねないため、注意が必要です。
いびきには危険信号が含まれている可能性があるということをお忘れなく。
とはいえ、いびきも生理現象の1つなのでよく起こります。
赤ちゃんが気持ちよさそうに寝ているのであれば、そこまで心配することはないかと思います。
赤ちゃんがスムーズに呼吸できるようにサポートしてあげる事は怠らないようにしてください。
4.いびきの対処方法
赤ちゃんのいびきが気になる場合は、以下の対処を試してみることをオススメします。
4-1.横向きで寝かせてあげる
眠っている赤ちゃんを横向きにしてあげることで、気道の位置を変えてあげる事ができます。
空気の通り道が広がり、いびきが解消されることもあります。
赤ちゃんが息をしやすい体制を整えてあげるようにしましょう。
うつぶせになってしまうと、赤ちゃんは呼吸がしづらくなってしまう恐れがあるので、クッションなどを使って安全な角度を保ってあげられるようにしましょう。
4-2.部屋の掃除や空気転換
赤ちゃんが感染症に感染してしまうことで、鼻づまりによるいびきを誘発してしまいかねません。
赤ちゃんが過ごす環境は、清潔を保てるように心掛けましょう。
ホコリや花粉といった物質も鼻づまりの原因となりません。
こまめに掃除と空気転換をして対策しておきましょう。
4-3.スポイトなどで鼻づまりを解消してあげる
鼻づまりを解消するため、鼻水を吸い取ってあげる方法があります。
赤ちゃんは口で呼吸する機会が多いですが、鼻の通りを良くしておいてあげるだけでも呼吸のしやすさが変わってくるかと思います。
スポイトやストローなど、鼻づまりを解消してあげられる便利なアイテムがたくさんありますので、そちらを使用してみることをオススメします。
赤ちゃんは慣れないことで嫌がるかもしれませんが、無理のない程度にこまめに実践してみましょう。
いびきは自然とかいてしまうものなので、解消してあげることにあまり固執しすぎなくても良いかと思います。
ただし、いつものいびきと違うようであれば解消してあげて様子を見てあげるようにしましょう。
5.日頃気を付けておくべきことは?
赤ちゃんは自分の意思を言葉にして伝えることができません。
やはり、ママ・パパが赤ちゃんがおくるサインを感じ取って察してあげることが重要なのです。
いびきに関して日頃から注意・意識しておくことを挙げておきます。
5-1.風邪はひいていないか
赤ちゃんの健康状態の確認は必須です。
風邪などの感染症になっていないことを見てあげてください。
少しでも疑いがある場合は早めにお医者さんに診てもらうことをオススメします。
5-2.鼻が詰まっていないか
ホコリや花粉などの原因も含め、赤ちゃんの鼻が詰まっていないかを見てあげてください。
寝ているとき以外においても、鼻が詰まっていると呼吸がしづらく本来の快適な生活には繋がりません。
赤ちゃんは自身で鼻をかんだりして鼻水を処理することができないので、ママ・パパがお手伝いしてあげましょう。
5-3.喉の奥が赤くなっていないか
喉の奥が赤くなっていると扁桃腺が肥大している、あるいは肥大する可能性があると言えます。
健全な扁桃腺の状態を把握しておき、異変に気付けるようにしておきましょう。
判断が難しい場合は、お医者さんに診てもらうことをオススメします。
5-4.うつぶせ状態で寝ていないか
いびきをしていないから安心していると、気付けばうつぶせ状態で寝てしまっているなんてこともあるかと思います。
小さい赤ちゃんにとってはうつぶせ寝は心地の良い状態とは言い難いです。
いびきの有無にかかわらず、寝ているときの体制には細心の注意を払うようにしてください。
5-5.息苦しそうにしていないか
呼吸のリズムが規則的か、苦しそうに大きく息をしていないかなどを見てあげてください。
呼吸が上手に出来ていないと、寝ている際のいびきにも繋がります。
また、長期的に放置してしまうと、呼吸困難などの今後の成長に悪影響を与える事象となりかねません。
赤ちゃんがよく息を荒げていることはあるかと思いますが、表情や行動から赤ちゃんの状態を察知できるようにしていきましょう。
細かく挙げるときりがありませんが、そのくらい日頃から赤ちゃんの挙動を気にかけておく必要があるということです。
赤ちゃんが眠り始めたら、しばし傍にいて様子をみていてあげましょう。
赤ちゃんが起きているときも同様です。
赤ちゃんの異変をいち早く察知できるよう、上記で挙げたことなどを日頃から意識していきましょう。
6.最後に
赤ちゃんのいびきについてポイントをおさらいします。
<対処方法>
・横向きにして寝かせてあげる
・ホコリの解消、空気転換
・鼻水の解消
<日頃から注意すべきこと>
・風邪をひいていないか
・鼻が詰まっていないか
・喉の奥が赤くなっていないか
・うつぶせで寝ていないか
・息苦しそうにしていないか
大人でも、熟睡したときなどにいびきをかくことはありますよね。
赤ちゃんにとっても同じです。
赤ちゃんがぐっすり眠れているようであれば、特に心配はいりません。
しかし、安全ないびきと危険信号のいびきを見極めてあげる事がママ・パパの役目となります。
赤ちゃんに異変を感じ、様子がおかしいなと思ったら、悩まずに病院に行って相談してみることも大切でしょう。
それはいびきに限ったことではありません。
赤ちゃんの体質も関係してくるかと思いますので、赤ちゃんに合った1番のサポート方法を見つけてあげて下さい。
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