
「おなら」は誰にでも起こる生理現象のひとつです。
おならは恥ずかしい行為であるという風潮が見受けられがちですが、おならをすることにもちゃんした理由があります。
本来は気にすることなくおならをする必要があるかと思いますが、食事中や映画鑑賞中など、時にはおならがし辛い場面も多くありますよね。
生理現象といえど、なかなかデリケートな問題でもあるおならにおいて「おならの回数が多い」「おならが臭い」などの悩みを抱えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回はそんな「おなら」について皆様のお悩みを解決したいと思います。
目次
1.なぜおならをするのか
なぜ生物は「おなら」をするのでしょうか。
おならが出るのにも大切な意味があります。
まずはおならが出るメカニズムについて説明します。
おならは、人間が食べ物を摂取し、消化、吸収、排泄といった過程において大量のガスが発生して出るといったものではありません。
おならは人間が食べ物を摂取する際に飲み込んだ空気が大半を占めています。
よって基本的な成分は酸素や窒素などといった空気と同じものなのです。
その空気が腸にまで到達すると、血液中に含まれるガスや食べ物が腸内細菌により分解される際にでるガスが交わりおならとなります。
2.おならのニオイについて
おならは食べる時に吸い込む空気が約70%、血液中に含まれるガスが約20%、食べ物が腸内細菌により分解される際にでるガスが約10%といわれています。
おならににおいがある原因は、腸内細菌に分解される際にでるガス約10%と言われています。
このガスは、アンモニア、硫化水素、スカトール、インドール等といった刺激臭を発生させる成分から出来ています。
これらの成分がなんらかの原因により増えてしまうと特に臭いおならになってしまいます。
3.おならのニオイが臭くなる原因
時にはおならは強烈な刺激臭を発生させることがあります。
そのにおいが悩みの種となっている方も多いのではないでしょうか。
おならのニオイを抑えるため、おならが臭くなる原因について理解しておきましょう。
3-1.食べ物による影響
食べ物を消化する際、いくつかのガスが発生する場合があります。
大きく分けると、イモ類などを消化したときに発生する「発酵型」のガスと、肉や卵などを消化した際に発生する「腐敗型」のガスです。
主におならのニオイに影響してくるガスは「腐敗型」であるとされています。
動物性タンパク質を含むような食べ物を口にした際は、おならが臭くなるかもしれません。
他にも、ニンニクなどに含まれる「硫黄分」などがにおいの原因物質とされています。
3-2.腸機能の低下
胃腸などの臓器の働きが低下していると、スムーズな消化活動が行われなくなってしまうことがあります。
ガスが溜まりやすくなる原因となり、くさいおならへと変化していってしまう恐れがあります。
3-3.ストレス
ストレスは内臓の機能低下にも影響を与えることがあります。
精神的・肉体的な負担から、ガスを体内にため込みやすい状態になっているかもしれません。
腸内環境が悪くなることで、さらにストレスを感じてしまうといった悪循環にも繋がります。
3-4.便秘
便秘になると、長期にわたって腸内に便が溜まり続けてしまい、悪性のガスを発生させてしまいます。
便そのもののニオイも強くなってしまうので、おならが臭くなってしまいます。
3-5.悪玉菌の増加
腸内には様々な菌が存在し、おならのニオイに影響を与えるのが「善玉菌」と「悪玉菌」であるとされています。
たんぱく質や脂質などをエネルギーとする悪玉菌は、アンモニアや硫化水素といった刺激臭を発生させる物質を作り出します。
本来、正常な腸内環境であれば善玉菌が悪玉菌の動きを抑えるのでおならのニオイがほとんどないのですが、悪玉菌が増えてしまうとおならのニオイが臭くなってしまいます。
4.おならの対策について
おならは自然と出てしまう仕方のないものです。
しかし、回数やにおいなどの問題は対策を講じることが可能です。
ここでは不本意なおならを少なくしていくための対策についてまとめます。
4-1.姿勢を良くする
正しい姿勢は、血流を良くしたり、腸が活発的に活動出来たりと、体内にガスを溜め込んでしまう事象を軽減することが出来ます。
姿勢が悪いと感じる方は、意識的に背筋を伸ばすなどの取り組みを行ってみましょう。
呼吸もスムーズに行えるので、必要以上の空気を吸い込んでしまうことも減るかと思います。
4-2.バランスの良い食生活
食べたものは必ず腸内で移動していくことになるので、おならへの影響も大きいです。
ガスを発生させやすい成分・食べ物を把握し、摂取しすぎないように注意してみましょう。
ポリフェノール類や植物性の食べ物は消臭効果があるとされています。
これらを含んだ食べ物をバランスよく食べれる食生活を心掛けてみてください。
4-3.ストレスを溜め込まない
ストレスは自身が気づかないうちに健康状態にも影響を及ぼしてきます。
腸などの活動を悪くしてしまう恐れがあるので、おならが出てしまいやすくなります。
ストレスや疲れを感じた際は、リフレッシュできるような取り組みを行ってみましょう。
運動や趣味など、自身に合ったストレス解消法を見つけてみてください。
4-4.便秘を解消する
便秘は便やおならに悪影響が出てしまいます。
体全体の健康状態も影響が出てしまう恐れがあるので、早めに解消するように心掛けてください。
適度な運動や、食物繊維を多く含んだ食べ物を食べたりすることがオススメです。
出そうになくてもトイレに向かうようにし、排便のリズムを整えていくことも重要です。
4-5.ガマンはしない
場面にもよりますが、おならは我慢するとそれだけ腸内で滞ることになります。
排出できるタイミングを見計らい、あまり溜め込みすぎないように努めましょう。
おならも循環させることが大切です。
5.病気の可能性もあるので注意
おならのニオイや回数は、体内における健康状態を表しているとも捉えることが出来ます。
くさいおならが続いたり、なかなか回数が減ってこないようであれば、病気の可能性も疑われてきます。
おならと関連性が見受けられる病気の主な例を以下に挙げますので、参考にしてください。
5-1.大腸がん
大腸がんを患ってしまった際「メタンチオール」と呼ばれるにおいのもとがとても多く検出されるといった実例が挙げられています。
メタンチオールは玉ねぎが腐ったようなにおいであるという特徴があり、通常のおならとは比べ物にならないくらいの異臭となります。
このようなにおいのおならが多く出るようであれば、大腸がんの可能性があるかもしれません。
5-2.大腸憩室症
こちらの症状は、腸管の内側が一部外側に飛び出したような形となってしまう状態を表します。
この状態が多く見受けられるようになると、大腸憩室症であると判定されますが、この状態もおならのにおいに影響が出るそうです。
症状がなかなか改善されないと、臭いおならも持続してしまう可能性があるので、早めに判断できるようにしましょう。
5-3.潰瘍性大腸炎
こちらは大腸の粘膜に潰瘍が出来てしまう病気です。
大腸の粘膜に異常をきたしてしまうと、正常な活動が出来なくなってしまい、結果として臭いおならの原因となっていきます。
大腸の調子が悪いと、便もスムーズに排泄されなくなったりなど、日常生活がし辛い状態となっていってしまいます。
おならなどの日常的な様子がいつもと違うようであれば、病気かもしれないということを念頭に置いておきましょう。
6.最後に
おならにおけるポイントをおさらいします。
<おならが臭くなる原因>
・食べ物による影響
・腸機能の低下
・ストレス
・便秘
・悪玉菌の増加 など
<おならの対策>
・姿勢を正す
・バランスの良い食生活
・ストレスを溜め込まない
・便秘を解消させる
・我慢しない など
おならは食生活や健康管理によって適切な状態にすることが可能であると考えられます。
おならが臭かったり、回数が多いと感じるようになった場合は、日頃の生活で見直すべき点があるというサインとも受け取れられますね。
自然と排出されるおならにおける悩みを軽減できるよう、今一度自身の生活状況を振り返ってみてください。