
現在、日本人の約3,000万人の方が頭痛もちだと言われています。3、4人に1人は頭痛に悩まされているのです。
逆に言うとこれだけの方が頭痛に悩んでいらっしゃるので、自分に頭痛の症状がみられても「すぐ治るだろう」と甘く考えてはいませんか?
頭痛にも様々な種類があります。軽いものから生命の危機に関わるものまでありますので、しっかりと自分の症状・原因を理解し対策をしましょう。
本日は、何故頭痛が起きるのかといった「原因」、それぞれの頭痛の「症状」、そしてそれら頭痛に対しての「予防・対処法」をまとめましたので、頭痛に悩まされている方は是非とも参考にしてください。
まず、頭痛の種類を大きく分けますと次のものがあります。
- 片頭痛
- 緊張型頭痛
- 群発頭痛
本日は、上記の3つの頭痛についての「症状」・「原因」・「予防・対処法」をそれぞれご紹介します。
目次
1. 片頭痛
女性が最も悩まされるのがこの「片頭痛」です。特に20代から40代の方に多く見られます。
1-1. 原因
片頭痛の原因は、脳の血管が広がることで神経を刺激してしまい、その刺激で発生する炎症がまた血管を拡張してしまい発症します。
血管が拡張する原因として挙げられるのは、ストレスからの解放と言われています。なので、片頭痛は週末に起きやすいです。他にも、強い光や音、疲労、寝不足、寝過ぎ等も原因です。
また、女性が最も悩まされると書きましたが、実は女性ホルモンの1つであるエストロゲンの変動が片頭痛の発症に関係しています。特に、エストロゲンの数値が下がる排卵期や月経前に発症しやすいです。
1-2. 症状
片頭痛の症状としては、ズキンズキンと心拍に合わせるようにこめかみに強い痛みが出ます。また、体を動かすとその度に頭に響きます。
その他にも、下痢・嘔吐・吐き気等の症状も見られ、個人差もありますが月に1、2回の頻度で痛みます。
1-3. 予防
まずは頭痛をなるべく起こさないようにするための予防です。
1-3-1. 食に気をつける
下記に挙げる食品を摂りすぎると片頭痛を起こしやすいと言われています。
- 酒類(特に赤ワイン)
- ベーコン・ハム・ソーセージ
- チョコレート
- コーヒー・紅茶・緑茶
他にもありますが、上記した食品は片頭痛に繋がると言われています。しかし、個人差もありますので、いずれかの食品の摂取で頭痛がした場合だけ気にすれば良いと思います。
1-3-2. 休日の過ごし方
普段お仕事が忙しい方は週末に寝過ぎたり、二度寝・寝溜めをすることが多くないでしょうか。適度な睡眠を取ることは勿論大事ですが、何事もやりすぎは良くありません。特に、寝過ぎは疲労・空腹になり、それが片頭痛をさらに重くしてしまうのです。
1-4. 対処法
次に、実際に片頭痛が起きてしまった場合の対処法を紹介します。
1-4-1. 冷やす
頭痛で痛む部分を冷やすと血管が収縮して痛みが和らぎます。逆に血管を拡張させる入浴やマッサージなどは痛みを増幅してしまいますので注意してください。
1-4-2. 横になる
片頭痛は体を動かすと痛みが増してしまうので、無理せずに横になって休みましょう。この時に横になったまま携帯やテレビ等を見ると症状は悪化してしまいますので注意してください。できれば静かな場所で部屋を暗くして休むのが良いです。
1-4-3. 少量のカフェイン
先程気をつける食品としてコーヒー等を挙げましたが、少量であればカフェインの摂取は効果的です。カフェインには血管の収縮作用がありますので、痛みが和らぐことがあります。
2. 緊張型頭痛
最も多くの方に見られるのがこの「緊張型頭痛」です。年齢も性別も問わず発症する可能性があります。
2-1. 原因
緊張型頭痛は、長時間同じ姿勢での作業や肉体的・精神的ストレスなどによって肩・首の筋肉が緊張してしまい、血行が悪くなり発症します。
肩こりと頭痛が関係しているのはこのためですね。デスクワークで同じ姿勢を続けることによって、肩こりも出ますし、頭痛も発症してしまいます。
2-2. 症状
片頭痛と比べて緊張型頭痛は吐き気などの頭痛以外の症状は現れません。長時間のパソコン作業やテレビの見過ぎで頭が締めつけられるような痛みがあれば緊張型頭痛です。
また、軽いめまいや肩・首回りの疲労(こり)は伴うことがあります。
2-3. 予防
次に、緊張型頭痛に対する予防法をご紹介しますが、この頭痛は広く周知されていますので、テレビなどの特集で解説されていたりと、殆どの方は既にご存知かと思います。おさらいと思ってお読みください。
大事なのは、長時間同じ姿勢での作業はなるべく控えることです。特にパソコンを使ったデスクワークは目も疲れてしまうので、頭痛が起きやすいです。
そして、定期的に休憩を取るようにして、首回りをマッサージするなどしましょう。首を左右に倒したり回転させるだけで、大分予防できます。ウォーキングも効果的ですが、仕事中ですとできないので、マッサージだけでもしておきましょう。
また、寝る時の枕の位置が自分に合ってないと首に負担がかかり筋肉に緊張に繋がってしまうので丁度良い枕選びを心掛けましょう。
2-4. 対処法
緊張型頭痛は片頭痛とは逆で、温めることで痛みを和らげることができます。基本的に血行を良くすることが大事ですので、帰宅後にシャワーだけの方は湯船に浸かってリラックスすることが大事です。おしぼりや蒸しタオルなどを首に巻くだけでも効果的です。
3. 群発頭痛
主に男性に多く見られる頭痛の種類ですが、数自体は少ないです。また、一定期間に集中して頭痛がくることから群発と名付けられました。
3-1. 原因
群発頭痛は発症例が少なくまだ断定された原因は判明していないのですが、一般的には頭部の血管の拡張から引き起こる頭痛と言われています。目の後ろに通っている血管の拡張によって目がズキズキするような頭痛が起こります。
主に飲酒や喫煙などが原因で、気圧の変化も関係していると言われています。
3-2. 症状
群発頭痛の症状は、耐えられない程の痛みだと言います。目をえぐられるや刺されるといった表現が多いです。痛みは1、2時間続き、群発期はほぼ毎日のように発症します。
3-3. 予防・対処法
群発頭痛は薬物での治療法が主なものですので、上記のような症状の場合はすぐに病院で診てもらいましょう。
また予防として、飲酒や喫煙は群発期は避けたほうが良いでしょう。
4. 一次性頭痛と二次性頭痛
これまでご紹介してきた「片頭痛」・「緊張型頭痛」・「群発頭痛」を一次性頭痛と呼びます。
これらは、病気以外の何かしらが原因となって引き起こる頭痛です。
実際に怖いのは「二次性頭痛」と呼ばれるものです。二次性頭痛は一次性頭痛と違い病気が原因で引き起こる頭痛です。ですので、いきなり激しい頭痛がくることが多いです。二次性頭痛を引き起こす病気として代表的なものは「脳出血」・「くも膜下出血」・「脳腫瘍」などです。
下記にそれぞれの特徴をご紹介しますので、もしも当てはまっている場合は必ず病院で診てもらってください。
4-1. 脳出血
徐々に痛みが増していきます。さらに手足が痺れたり物がはっきり見えなくなります。
4-2. くも膜下出血
出血の程度にもよりますが、強い痛みと共に嘔吐、吐き気、発作や意識を失うこともあります。
4-3. 脳腫瘍
朝方、主に起床する時に起こりやすいです。頭部を圧迫されるような強い痛みを伴い、嘔吐や発作を起こすこともあります。
上記の他にも二次性頭痛を引き起こす病気はありますので、いつもと違うような頭痛がおきた場合は無理をせずに診察してもらうことを強く勧めます。
いつどこで現れてもおかしくない頭痛ですが、原因をしっかりと理解することで予防することができますし、もし起きてしまっても正しい対処法を知っていれば緩和することもできますので、正しい知識を頭に入れておきましょう!