
捨て猫を発見した時に一回近くまで寄って言ったら弱々しい声で「にゃー」と話しかけられた経験がある方は多いと思います。しかし、保護した子猫の育て方やお金がかかることに躊躇し、諦める方も多いですよね。
年間に殺処分される捨て猫の数をご存知ですか?
その数「10万匹以上」と言われています。
今回は、捨て猫を保護してあげようと思っても何をすべきかわからない方のために保護の仕方、その後の飼い方についてまとめてみました。是非、捨て猫保護に役立ててください。
目次
1.捨て猫を見つけたら
まずは捨て猫かと思われる猫を発見した場合、その猫が捨て猫なのかどうか判断をしましょう。
1−1.子猫の場合
ダンボールや紙袋などに餌などと一緒に入れられていたりしたら、基本的に捨て猫だと判断して問題ないでしょう。
しかし、弱々しい姿で1匹の子猫が横たわっている場合などは近くに親猫がいるかどうか確認しましょう。
外猫は鳥などの外敵から子猫を守るために、引越しなどを行います。その際に、親猫は1匹ずつ子猫を口で挟み移動させます。よって親猫の帰りを待っている状態の子猫の可能性もあります。
少し時間を見て子猫の周りの様子を確認しましょう。
1−2.成猫の場合
成猫場合は首輪などをしていなくても近年は猫にマイクロチップを埋め込まれている可能性があります。
そのマイクロチップに飼い主の情報などが入っており、迷子になっても連絡が取ることができるようになっています。
よって、特に純血種の成猫の場合は「迷い猫」の可能性もあります。保護をしてあげて、マイクロチップが入っているかの確認、また警察に届けが出ているかなど飼い主の元に帰れるようにしてあげてください。
2.捨て猫を保護するにあたり
捨て猫を保護するにあたり、確認することがあります。以下のことを確認しましょう。
2−1.先住猫がいる場合、その猫だけ別の部屋で隔離して飼うことができるか
捨て猫は猫風邪やノミ、ダニ、またその他の感染症などを保有している可能性があります。そういったものを検査するまで捨て猫だけを先住猫と離して飼う必要があります。
2−2.病院に連れていく必要があり、その時間、費用があるか
最初に保護をした際、体調は悪くなさそうだし病院に連れて行かなくて良いかなと思われる方も多いかと思いますが、様々な感染症やノミ、ダニなどに寄生されている可能性もあります。また、予防接種も必須です。
ですので、様々な検査や治療などのために病院に連れて行くことが必要になります。
2−3.保護をしたら、自分で飼うか里親募集をする
最初に、保護して命の危険がないことがわかった後にボランティア団体などに保護を依頼される方がいらっしゃいますが、そのようなことは出来ません。どこもたくさんの猫を保護しているため簡単に預かることができるところはほぼありません。
よって、ご自身が飼い主となり家族としてずっと迎え入れるのか、またある程度育てた後、ご自身で里親募集サイトなどを使用して他の飼い主を探すことをしなければなりません。
1つの大事な命を預かることに対して責任をもつ覚悟を決める必要があります。
3.捨て猫を保護したら行うべきこと
まずは捨て猫を保護する際、注意することや行うべきことについてまとめていきます。
3−1.凶暴な可能性がある
やはり捨てられてしまった子猫は人間に対してかなり警戒心を持っている可能性もあり噛み付いたり、引っ掻かれたりすることもあります。よって、警戒心があるか確認をした後その猫をゆっくり保護するようにしましょう。
3−2.猫の体調確認
子猫の場合は免疫力も弱く、ちょっとした風邪などでも死んでしまう可能性があります。以下の点に注意して確認しましょう。
・目ヤニがでているか
・鼻水やくしゃみがでるか
・熱があるか
・嘔吐するか
・食欲はあるか
以上の点について注意深く観察してみましょう。少しでも異常を感じた場合はすぐに病院に連れていきましょう。特に症状が出ていない場合でも後々必ず病院に連れていく必要があるため、落ち着いたら病院にいきましょう。
3−3.人間が飲む牛乳は与えてはいけない
捨て猫はお腹をすかしている可能性が高いです。
しかし、ここで牛乳を与えてしまう方がいらっしゃいますが、人間が飲む牛乳を飲むとお腹を壊し下痢をする可能性があります。
よって、歯が生えていない子猫の場合は猫用のミルクを与えるようにしましょう。
3−4.子猫はお風呂に入れてはいけない
保護した際に、汚れていたとしても基本的にはお風呂にいれないようにしましょう。
猫は自分でグルーミング(舌で全身を毛繕いする)する動物なためお風呂に入れる必要がないのです。子猫の場合、本来は親猫がグルーミングをするのですが、その機会がないと汚れてしまいます。
猫はお風呂を嫌がることが多く、トラウマになってしまう可能性もあるのでウェットシートで拭くようにしましょう。
3−5.おしっこ、うんちを促してあげよう
まだ子猫の場合は自らおしっこやうんちをすることができないことがあります。
本来は親猫が肛門、陰部を舌などで刺激を与えておしっこ、うんちを促してあげます。よって、柔らかい布で指を包んでツンツンと刺激をしてあげましょう。
自力でおしっこ、うんちをする場合は、トイレの場所を教えましょう。一度トイレでない場所でしまうと、そこに尿やうんちの匂いが残りそこでしてしまう癖がつく可能性があります。
前足をバタバタ、カリカリとさせるような仕草を見せた場合は、すぐにトイレに連れて行ってあげましょう。
トイレは猫用トイレに砂をいれたものを用意しましょう。
3−6.寝床を確保しよう
捨て猫は家に連れ帰った後も、恐怖で怯えている可能性もあります。そういった場合は、あまり相手をせずに猫を自由にさせてあげましょう。時が経つに連れて家にも慣れてきます。
また、猫は角っこを好みます。そういった場所に毛布などを置いておくと自然とそこに向かうこともあります。猫が寝始めたら暖かく寝れるような環境を整えてあげましょう。
3−7.予防接種や感染症検査をしよう
猫を病院に連れて行くタイミングで、予防接種や感染症の検査を行いたい旨獣医師に伝えましょう。
そうすると今現在生後どの程度経っているか、またその時の体調によっていつ頃行うべきか考えてくれます。生後間もないばあいはそういった検査などは出来ない可能性もあるのです。
予防接種は基本的に「三種混合ワクチン」、感染症は「猫白血病、猫エイズウイルス」などの検査を行うべきと言われています。
4.捨て猫を保護するのに大切なことは
ここまで、捨て猫を保護にあたり、注意点や最初にやるべきことについてまとめてきました。
猫は基本的に1日のほとんどを寝て過ごす動物で、散歩の必要もないため非常に飼いやすい動物であると思います。
かわいそうな捨て猫と出会ったことを運命の出会いと信じ、ぜひ保護をしてあげてください。
環境的な問題、財政的な問題でご自身が保護できない場合もあると思います。最初から飼い方がわからないから、家では飼えないからと目をそらすのではなく、その1匹の猫の命をどうすれば救えるか考えてあげてください。必ず救ってくれる人が近くにいるはずです。是非そういった考えで行動をしていただければ幸いです。